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ブロッケン現象とグリーンフラッシュ
高山で起こる珍しい現象のページです(高山以外でも見られる場合があります)。
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ブロッケン現象 ブロッケン現象光輪グローリー)は、太陽などの光が見る人 を通り越した所にある雲や霧に散乱され(ミー散乱)、 見る人の影の周りに虹色の光輪となって現われる現象です。
 霧や雲を伴うため、特に山岳においては天候や道迷い等のリスクに敏感となっている中、巨大な空間に突如出現したた完全な円と自身の長大な影が、この世の物と は思えない荘厳な印象を与えます。左の写真は秋の穂高・ザイテングラート上部で撮影したもので す。他の写真
 山岳以外でも、航空機から見下ろした雲や川霧など、条件が揃えば見られます。

 ブロッケン現象は、後光を背負った仏像(阿弥陀如来)と似た形状から、ほとけが形而下に出現し、お迎えに来た様として、御来迎 (ご らいごう)とも呼ばれるそうです。 ちなみに御来光(ごらいこう)は高山で拝む日 の出のことで、全く違うものです。 しかし、どちらも荘厳で、中心から放射状のエネルギーを感じさせるため、同じものの象徴として混用される場合があるようです。
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 名前の由来となっているブロッケン (Brocken)山 はドイツのハルツ山脈最高峰(1,142m)です。 西洋ではブロッケンの妖怪・怪物として不吉なものと考えられていたようです。 山岳は西洋では悪魔の住処、日本では聖なる場所と考えられてきたためでしょう。 いずれにせよ谷底に突如出現したブロッケン現象は、いくら科学的に説明されても、この世のものではない荘厳な印象を受けます。

播隆 念仏行者、 播隆(ばんりゅう)上 人の槍ケ岳開山(1828年)は、その五年前に笠ケ岳で経験した御来迎が一つの動機になったと言います。 右の写真はJR松本駅前にある像。袈裟の舞い上がっている様子が山の風を連想させます。
 上人は登山が禅定(ぜんじょう)に通じると考え、安全な登山の普及に尽しました。 私たちも登山やブロッケン現象を通して上人の心境を察する事ができるかもしれませんね。

ブロッケン現象の立体画像(2.5D合成)
ブロッケン現象立体画像
 見る人と霧の距離が数mと近い場合、自分の影 が霧の中を遠くまで伸び ていくのがわかります。 その奥行き感は荘厳で、影が非常に大きく感じられます。 どの距離においても影の断面の大きさは自分と同じなのですが、その奥行きが非常に大きいのです。
 ブロッケン現象(ミー散乱)の散乱角分布を調べることで、漂っている粒子の大きさや濃度を推定するなどの分析に役立ちます。
 ブロッケン現象は、見る人の影が霧の中を伸びたり雲に写ったりする現象と、その周りに表れる虹色の輪の、二つをまとめて指しています。 以下では虹色の輪について説明しています。影の奥行を含めて立体画像として感じて頂くために、右の画像を合成してみました。画面の大きさに依 り画像サイズ を調整してご覧くだ さい(右側を右目で見る)。

【著作権】本HPの内容は、リンク・紹介してください
 写真をお使いになりたい場合はご連絡ください、用意をしています。 他にWikipediaからの写真や文章のコピーを見かけますが、これらはGNU FDLに従い、 誰もがあなたのページを編集できるようにする必要がありますので注意して下さい。

虹とブロッケン
虹とブロッケン現象の違い
 ブロッケン現象の輪は、虹と似て影の側に現れますが、原理が違い、大きさ等の見え方や見える条件が違います。 虹は雨粒による屈折と内部反射によるものですが、ブロッケン現象は5μm程度の霧によるミー散乱(詳 しい原理はこちらから) によるものです。 そのため、虹が雨(大きな水滴)に現れるのに対し、ブロッケン現象は雲や霧(小さな粒子)に現れます。 それぞれ別の霧や雨に現れたものを同時に見たことはありますが、両者が全く同じものに現われるのは珍 しい
 見かけの大きさは、いくつかの写真から測ったところ、半径3~4°程度で、一定はしません(虹は42°でほぼ一定)。 中心点からの反射が存在し、輪の数は何重にもなります。

 右の写真は虹とブロッケン現象の大きさを比較するために合成したものです(虹:神奈川工科大学 高橋正雄先生ご提供)。 写真いっぱいの円が虹で、撮影者の頭の影近くにある輪がブロッケン現象の光輪です(実際には霧がないと見えない)

ブロッケンと虹
霧虹(白虹)
白虹
虹とブロッケン現象は同 時に見られるか
 珍しい事ですが、同じ霧に虹とブロッケン現象が同時に見られる場合があります。 ただし、虹のほうは色の薄い白虹となってしまいます。
 (1)他の写真へ  両者が同じ霧に現れていました。
 (2)MOMOさん 同上でした。
 (3)山 歩きの雑学  同上。
 (4)ブ ロッケンサイト この例では、ブロッケン現象は雲に、虹はその上に 降ってい る雨に現われており、 同時ですが別のものに現れているようです。そのため色の付いた通常の虹となっています。
 (5)久 重の四季 
 (6)ブ ロッケン現象と白虹 
 (7)北横岳ヒュッテ 

  ブロッケン現象を起こす霧粒子の多くはは5μm程度ですが、 10μm程度の霧の場合、小さなブロッケンと色の付かない白い虹が同時に同じ霧に現れます(霧虹、白虹)。 もっと大きい粒子になると、ブロッケンは小さく見えなくなって行き、虹が鮮やかさを増していきます。
 下の動画は、息を吹きかけたガラスの曇りによるレーザー光の前方散乱像です。 曇るほど輪の大きさは小さくなっていきました。 水粒子の形や大きさ、後方と前方散乱の違いがありますが、粒子の大きさによる散乱角度の変化は確かめられました。


BB!その他の動画 へ

 晴天時に十分な湯気のある露天風呂(これも珍しい)にめぐり会ったので確認したところ、 温泉から出てきたばかりの濃密な湯気に、色の付かない霧虹が見られました (立って頭の影を小さくすると見られた)。 ということは、虹とブロッケン現象が同時に見られる粒子サイズの霧は多く存在し、 霧の粒子がくっついたり析出して大きくなれば色の付いた虹だけが見られ、 乾いて小さくなればブロッケン現象だけが見られるようになる。 大きな粒子は重力で落下しますので、自然のふるいにかけられ、どちらか一方だけが見られる場合が多い・・・と考えます。
 TVで北極海の白い虹を見ましたが、温暖化によって水蒸気が増えて発生した霧によるものと思います。
粒子が丸くない場合
 雲や霧の水滴は表面張力によって球状となっていますが、小さな氷晶(球でない)でできた雲にもブロッケン現象が現れる 場合 があります。 しかし結晶が大きいと見えなくなるようです。 他の写真や上 記サイトにも氷晶の雲に現れた写真が掲載されています。

山以外でも見られます
 ブロッケン現象は、条件さえそろえば高山以外でも見られ、 2000年夏には福島県の只見町でブロッケン現象が日本で初めて平地で確認され、TVニュースにもなったそうです。 ダムからの冷たい放水によって発生した霧によるもので、実は今まで何度も起こっていたようです。 他に航空機から見おろした雲や、似た条件を人工的に作り出して見ることもできます。


ブロッケン現象 発生する状況
  右の写真は奥穂高岳で撮影したものです。背後からの太陽光がガスで散乱されずに入射し、前方の雲や霧に当たってブロッケン現象が見えています。
 雲に映った山の影には、全くブロッケン現象が現れていません。多くの写真で地面のように見える暗い部分は、雲や霧に映った 地面の影です。

ブロッケン現象の見かけの大きさ 見かけの大きさについて
 上記を説 明するた めに、上の写真について横から見た模式図を用意しました。
 向かって左から太陽の光がさしこみ、右の雲に自分や山の影が映ります。 虹のような輪を作る光は霧の中のいたるところで発生しており、 これらの光は太陽光に対して一定の角度で円錐状に反射します。 しかし、自分の目に入るのは図に示した点線の経路を通る円周上のものに限られます。 ですから霧までの距離によらず虹色の輪は見かけの大きさが変わらないのです。
 一方、自分の影の大きさは変わらないので、雲が遠いほど見かけの大きさ(角度)は小さく見えるのです。
ブロッケン現象の見かけの大きさ図解 左図:影が大きく見え 右図:影が小さく見える
図は横から見たもので、本人から見ると遠くの雲に写った影ほど小さく見える。輪は見た目の大きさ (角度)が同じ。
 説明のため、上の写真について横から見た模式図を用意しました。
向かって左から太陽の光がさしこみ、右の雲に自分や山の影が映ります。 虹のような輪を作る光は霧の中のいたるところで発生しており、 これらの光は太陽光に対して一定の角度で円錐状に反射します。 しかし、自分の目に入るのは図に示した点線の経路を通る円周上のものに限られます。 ですから霧までの距離によらず虹色の輪は見かけの大きさが変わらないのです。
 一方、自分の影の大きさは変わらないので、雲が遠いほど見かけの大きさ(角度)は小さく見えるのです。
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  どうすれば、上手くブロッケン現象の写真を撮影できますか
(1) 露光条件 <時代が変わったので、銀塩ネガからディジタルカメラ の撮影方法に変更しました>
・一眼レフカメラの場合
 ブロッケン現象自体をスポット測光な どで 最適露光す るのが良いでしょう。 実際より暗い感じに撮影されますが、写真ではこの露光条件が最もコントラストや色を強く出せるので、 淡い色を印象的に撮影するには最適です。 明るめに露光した場合、白飛びなどで色を失う事が多くなりますので注意しましょう。平均的な測光の場合、1EV~1.5EV暗めに露光すると良いでしょ う。
・コンパクトカメラの場合
 そのまま撮影すると明るすぎます。 多くの場合、ブロッケン現象の周辺にガスが漂っていて、ブロッケン現象が輝くため、暗めに露光する必要があります(露光調整)。タッチシャッターで、タッ チした所に露光が合うものならOKです(カメラの仕様を要確認)。

(2)焦点距離
 もともと鮮明な輪郭が無い現象なので、 ブロッケン現象の起こっ ている近 くのものにピントを合わせれば良いでしょう。

 ディジタルカメラのダイナミックレンジは銀塩ネガより狭く、注意が要ります。しかし何枚も確認しながら撮影できる ので 調整 しながら撮影しましょう。但しシャッターチャンスは短い場合も多いので、お使いのカメラでの練習をお勧めします。

→現象の写真色々 → 現象の原理 → ブ ロッケン山  

気 象光学現象水平環日暈幻 日太陽柱彩雲
環水平アーク
環水平アーク(水平環)
 五月の立山、正午の写真です。六角板状の氷が水平に揃った 雲による屈折で虹色になるそうです。 氷の板の側面から入射した光が底面から出るルートを通るため、プリズムのように色付く。 太陽との角度関係から、日が高い必要がある。環水平アーク

  写真は最初白い雲に淡い色がついていましたが、白い雲が消え、虹色だけが残った瞬間のものです。  →もう一枚の写真 → 平地からの写真
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環天頂アーク環 天頂アー ク(天頂環)
 この場合は、低い太陽より上側に見え、図のように氷晶上面から側面へ抜けるルートを通ります。環天頂アーク
 写真の下側に太陽があります。
 水平環と共に、濃くきれいな色になりやすい。
太陽柱
太陽柱(五月の爺ヶ岳直下、日の出)です。
 見かけ上、太陽の上方へ伸びる光の柱で、 六角板状の氷がおよそ水平に揃った雲による板底面による反射だそうです。 (写真は左手前の雲がじゃまですね。)
 反射のため、色が付かない。太陽が昇り、柱が下方に伸びた場合は板上面の反射。
ダイヤモンドダストは 板 の反射が氷晶ごとに見える近さにある場合キラキラ瞬く現象。 氷晶の向きがバラバラでも起きる。向きが水平に揃うとダイアモンドダストによる太陽柱となる。
 水平に揃いやすい理由は、滞空時間が長いためだと思います。太陽柱
内暈日暈)
日暈日暈(内暈)

 
 日暈 太陽を中心にした光の円弧(半径22°)です(内暈)。 六角柱状の氷の雲による屈折だそうです。柱の向きはあまり揃っていない様で、円周上に屈折光が見える。 観察される頻度は他のものに比べて多い。

 下の写真(爺ヶ岳直下)の例では、太陽の両脇に幻日が少し見えています。 また太陽柱も少し残っています。
 稀に暈の上端や下端に接する弧(タンジェントアーク)が見られ、極めて稀に幻日の横から伸びる輪(幻日環)が 全天 を一 周す る場合があるそうだ。
タ ンジェントアークタンジェントアーク
 六角形の棒状の氷が、主に水平に並んだ場合、内暈と同じ角度(および外側に向かって)見えます。
(太陽の周りに写りこんでいる色はスマートフォンのカメラによるものです)

幻日 幻日(げ んじつ)
 写真は五月の立山、日の入りです。 太陽は画面から外れた左にあります。六角板状の雲が水平に揃った雲の屈折によるものだそうです。 暈と同じ光のルートで、曲がる角度は22°ですが、板が薄いため、板の水平方向から入射した光だけが幻日を作る。 そのため太陽が水平に近いとき、太陽の水平両側に現れる。 幻日が横に広がって伸びる事もあるそうだ。幻日
→ も う一つの例

 これらの気象光学現象は平地でもよく見られるますが、高い山では空気が澄んでいる分、 きれいに観察でき、空を遮るものが少ない。
気象光学現象の位置関係  気がつくと同時に たくさんの現象が起こっていたので、 とっさに持ち合わせた携帯電話のカメラで撮影しました。
 ラテラルアークらしきものや、120°幻日、幻日環も写っています。 (暈の上部にあるのはタン ジェ ント アークではなく雲です)  2008年2月2日、横浜市内にて
彩雲彩雲
 薄雲に色がついている事があります。薄雲による回折によるもので、霧の粒子サイズが不均一なため散乱の方向がまち まち で次 の光環のように丸くなっていま せん。
光 冠光環
 ブロッケン現象に似た散乱ですが、方向が逆の前方散乱です。この場合、光源の周囲に環が見られます。
光冠、光環
月の暈
光冠、光環
氷の粒子による回折
花粉による光冠
花粉による回折

 上の写真は真冬の月で、色のついた暈{かさ}をかぶっています。薄雲による回折によるものです。雲の上か らで あれ ばブ ロッ ケン現象が見られる可能性が高 いと思います。
 (光冠はブロッケン現象ではありません。)
 中央の写真は正月の西穂高独標で、ガス(氷)によって生じた光冠です。 中央の人影は、太陽側にいた登山者で、私の影ではありません (光冠は回折による前方散乱で、後方散乱のブロッケン現象とは現れる向きが逆です)。
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 下側の写真は2011年3月中旬の午後、花粉が非常に多い時に見られた光環です。ブロッケン現象に比べて 環が小さ いで す (花粉の粒子が大きいため)。

 気象光学現象は高層の気象を反映しているので、天気予報などに役立てることができます。
地球照地球照
 気象光学とは違いますが、地球照によって、月の夜の部分がぼんやり見える現象です(決して月の裏側が見えているわ けで はありません。秤 動と いう振動で裏の一部が脇から見えますが、月はおよそ同じ面を地球へ向けています)。
 写真は2,000倍違う露光の写真を重ね合わせています(月の昼と夜の部分は10,000倍明るさが違うそうで す)。

 薄い三日月に、澄んだ空であれば、目の良い人は肉眼でも何とか見え、 明るい双眼鏡があれば更に良い。地球による太陽光の散乱と言えます。
部分日食部分日食
 これも気象光学とは違いますが、太陽の手前に月が重なり、太陽が隠れる現象です(写真上:2009年7月22日、 11:20JST@横浜市)。
 地球の月と太陽は見かけの大きさが酷似しているので、金環食や皆既日食が見られます。他の惑星の衛星では、このよ うな 事は 少なく珍しいそうです。
(目を守るため、太陽を直視せず、規格を満たす観察用サングラスを使用しましょう。望遠鏡やカメラ撮影(一眼)は失 明の リス クがあるので要注意)
金環日食  写真下は金環日食です(2012年5月21日、07:33JST@横浜市)。月も地球も楕円軌道なので地球から見た大きさが太陽も 月も変化し、金環に なったり皆既になったりするのだそうです。
 どちらの写真も雲によって光が弱まっていました(周囲の光は雲です)。上は子供たちがコンパクトデジカメで撮影し たも の、 下は私が望遠鏡をアルミフォイルで覆い、針で穴をあけて撮影したものです。
飛行機雲の影
飛行機雲の影(電 柱は無視して下さい)。
  私がちょうど影に包まれた位置で気付いたのですが、 カメラを出したら、既に雲は左下へ流され、近くにある陰は更に左下へ。
 飛行機雲より下の大気による散乱で空が霞んでいますが、雲の影は散乱光が少ないため、暗く見える訳です。

光 芒(こう ぼう)薄明光線
 平行な太陽光線が雲などで陰影を付けられたとき通り道が放射状に見える壮大な風景です。放射状に見えるのは、例え ば平行な 通路であるトンネルの中の直線がそう見えるのと同じです(下の画像はクリックすると拡大)。「太陽」の位置を文字で示してあ ります。
 光芒は、コロイド溶液に見出された、チンダル現象と同じく散乱現象です。赤い色まで散乱しているのでミー散乱を起 こすか、 比較的大きい粒子によるものと考えられます。写真は霧のような大きい粒子とは考えにくい。
光芒
太陽
光芒
光芒 右 の写真は光芒の一種だと思います、太陽側から反対側まで 180°に渡っているものです(2枚の写真をつないであ ります)。左下の消失点に太陽は無く、 私の真後ろに夕焼けと雲があり光芒が続いていました。高いところに立てませんでしたが、おそらく遠くにある積乱雲の 影だ と思 います。

  
虹は大きくて、きれいですね。雨に日が差したとき、雨粒に光が入り、 内部反射して出てゆく時に受ける2回の屈折で色が分かれます。
虹
虹の色には諸説あるが、私の肉眼では
赤、橙、黄、緑、青(暗い)、菫
(写真では緑より水色が強くなった)
虹
 内部反射が1回で42°の主虹が現れ、残った光がもう1回反射して51°の暗い副虹が現れます。 両者は色の並びが逆です(水滴中で回る向きが逆のため)。 両者に挟まれた部位は暗く、アレクサンダーの暗帯と呼ばれるそうです。
 主虹の内側には、干渉によって生じる縞模様(干渉虹・過剰虹)が見られます。
 (虹はブロッケン現象と同じく、光を後方に散乱します。暈などと同じ散乱角度の定義では 180°か ら差 し引 き、 それぞれ138°,129°となります。)
虹 主虹の内側は青色の次に 菫(すみれ)色(または紫)となっています。 人間の目は青より短い波長を菫色として感じますが、虹の菫色は、主虹の青と干渉虹の赤が混ざった効果も含まれます。
 ハイマツこれらのようにブロッケン現 象以 外に も非 等方的な散乱は色々あります。 空だけでなく、日を背に朝露の草を見れば、同じように自分の頭の影を中心にした輪ができます。 それにハイマツの林もわずかながら非等方的な後方散乱をすると思うのは私だけでしょうか? (右上の 写真:凸凹の大きなものに影ができ、真正面からは影が見えないためだと思います。)

 どうでも良いことばかり書いていますが、何でも表面的にではなく理解する事が大切だと思っています。

 気象光学現象の虹・暈・幻日・彩雲・環水平アークなどについては、こちらのY.AYAさんと、自然の気象科学館で じっ くり どうぞ。
 
虹とブロッケン現象(合成)
撮影した虹のデータとブロッケン現象の計算結果を合成
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 グリーンフラッシュ (下 の写真ではありません) Wikipedia百科事典
 これを見たものは真実の愛に目覚めるという。

 確かによほど注意深く見ていないと気づかない現象です。
 丸い地球の大気による屈折により、太陽の光がプリズムを通したように波長分散し、 太陽が沈む直前に緑色を帯びた光だけが残るものと考えられています。 実際は屈折の効果だけでなく、反転層(蜃気楼のように反射・屈折する層)や水平方向の密度ゆらぎも加わって複雑な見え方をす るようです。
 グリーンフラッシュが現れやすい条件は、黄金色の夕日、つまり緑色が十分残るほど空気が澄んでいて、 更に夕日が水平線ぎりぎりまで残る場所から見ることです。高山はこの条件に恵まれています。

  現象はほんの10分の1秒程度でした。 太陽が完全に沈む直前、光は急激に暗くなって行くのですが、緑色だけが僅かに遅く残り、かつ一瞬チカッと輝いた様に感じました。 明るさの劇的な変化の中で一瞬感じられる現象なので、カメラに収めたり、日の出で見ようとするのはずいぶん難しいと 思い ま す。 目撃した場所は「高い山」の最初の写真、白馬の時です。
グリーンフラッシュ 大気は上空ほど希薄な ため、
実際はカーブしながら屈折します。

大気のプリズム効果(大気分散)は非常に弱く、
水平線近くの星を望遠鏡で見てわかる程度です。
太陽の場合、反転層をはじめ屈折率のゆらぎの
助けがあって肉眼で観察されるものと思われます。

【注意】図は観察者からの見かけの向きで、
障害物が無ければ見える各色のルートです。
逆に、太陽から一本の光を辿った場合は、
大気に入ってから波長分散で分かれます。
 右図はグリーンフラッシュの瞬間を表した図です。太陽か らの光はあらゆる 方向に進 みま す が、図にはこの中で目に届くルートだけを示してあります。
 地球の丸みに沿って大気も丸くなっているので、大気がプリズムの働きをして青い光ほど強く屈折し、その結果、青い 光の 方が 上側にずれて見える事になります。
 黄金色の夕日は眩しくて、肉眼ではとても見ていられないのですが、 水平線すれすれに夕日が沈む瞬間であれば、強い赤や黄の光が地球や雲に遮られ、最後に一瞬緑色だけを残して消えて行くのを目撃できる場合があるのです。 (青色やすみれ色は見通し可能ですが、大気による散乱で失われ、緑が残る。極稀にブルーフラッシュも見られるそう だ。)

 「フラッシュ」と言う様に、キラッと輝いたように見えるのは、大気のゆらぎによって本当に輝いたのだと思います。 ちょうど蜃気楼や陽炎がゆらめく様に、運良く沈む瞬間に色ずれの光が強くなったと思われます。 ゆらぎによっては黄色もフラッシュするはずですが、太陽の色なので誰も珍重しない。
 なお撮影機器の色ずれも否定できないので、この写真が類似の現象を捉えているとは断定できません。 今後機会があれば写真を更新したいと思います。 なお丸い太陽ではなかなか色ずれが見られません、写真のようにひしゃげるほど屈折率の変化がある場合に起こりやすいのかもしれません。
大気分散・グリーンフラッシュ  初日の出の写真があったので拡大・色強調してみると右のように緑色の色ずれが出ていました。 大気分散現象が大気の屈折率ゆらぎによって、部分的に強調された結果と思われます (焦点距離500mm、F5.6、マクストフカセグレン、2倍テレコンバータ使用、フジReala、ISO100)。
 グリーンフラッシュが見られる場所は数多くある はずです、例えば山形県酒田市の展望台などがあります。できるだけ空気が澄んで、遠く が見渡せる場所が向いています。 特に極地では季節を選ぶと太陽が低い角度にいる時間が長いため、見られる機会が非常に多くなる訳です(2012年の気象カレンダー表紙がそうでした)。

 以上のように、大気分散現象は低い仰角で見る星などによく現れますが、 グリーンフラッシュは大気分散に重ねて、太陽が沈む瞬間に、ゆらぎ等でフラッシュするという、かなり珍しい現象です。
 他の要因に、人の目は暗いと緑色の感度が高くなるという効果もあるそうです。 しかし、私の体験では、グリーンフラッシュは十分明るく、写真撮影例もある事から、 大気分散とゆらぎが支配的な原因だと考えています。


  セントエルモの火
これを目で見たことはありませんが、近い体験をしたことがあります。

 富士山のお釜を回っていたとき、ガスが吹き上げる斜面で仲間が言いました。 「虫が鳴いている。近づくと鳴き止むけど、離れるとまた鳴き出すよ。すぐ鳴きだすとは警戒心の無い虫だ。」
 私は珍しがって交代してみました。確かにチッチッチと周期的な音がしている。 そして音のほうへ近づいたら、かぶっていたフードに髪の毛がパリパリッと引き付けられました。 同時に音が止みました。

伏せろ!!!
私たちは突出した地形から離れ、雷に打たれないよう地面にはいつくばりました。

 セントエルモの火とは、雷などを起こす大気中の強い電界や、飛行船などにたまった静電気による、 青白い放電現象(コロナ放電)です。 特に尖った部分に現れやすく、ジーとかシューという音を伴うそうです。 飛行機では放電が無線装置に与える影響を低減するため、羽にたくさん放電電極が取り付けてありますね。
 上記の「虫の音」の正体は大気にたまった電気が富士山との間で放電していた音だったのです。 近づくと音が止むというのは、実は近づいた人間に電流が流れるなどして電場が変化し、 私の場合、たまった高電圧によって髪の毛がフードに張り付いた訳です。 もっと電気がたまると人間との間でパチパチ放電し始めたことでしょう。

 これが夜だったら、ひょっとしてセントエルモの火を目撃できたかもしれません。 クワバラ クワバラ。

 なお、この現象は船のマストでも起こりやすく、この現象の後に天候が大荒れになる事が多いため、船乗り達に恐れら れていたそうです。

コロナ放電  写真は送電線の碍子に発生した放電現象です(古いカメラでノイズが多い)。
  自然の中で起こる放電現象といえば雷のほかに色々あります。 水晶など圧電効果のある岩石を含む尖った山頂に、地震などの振動が高電圧を生じてコロナ放電を起こすとか、  同じようにして発生した強い電磁波が側頭葉に影響を与えて幻覚を見る場合があるとか (電磁波による急性症状)、 冷戦時代に米ソが敵国上空へ強力なマイクロ波を複数方向から照射して、 アンダーソン局在による放電や電離層への影響で天候や通信等への悪影響をねらったため、 偶然通りかかった航空機に定在波が生じてプラズマ放電が起こり、ピッタリ追従してくるUFOとして、 または定在波上に何個も並んだ放電域が葉巻型UFOととして知覚された事などを聞いたことがあります。 航空機の飛ぶ10,000m程度は放電が起こり安い気圧です。

 このように、放電現象はファンタジックな割には安全なものではありません。

  その他の現象
UFO? ■謎の飛行物体
 放電現象やブロッケン現象は光として目撃されますが、 自分では光らず、光に照らされて見える「物体」は右の写真のようになります。
 この写真は2008年7月9日、18:04に神奈川県横浜市栄区飯島町にある幼稚園上空近辺を浮遊し上昇している ものを偶然目撃したものです (ク リッ クしてYouTube動画再生)
飛行物体が飛び始めた場所の緯度経度は次の通りです。
N 35.3761°(北緯 35°22分 34秒)
E139.5331°(東経139°31分 59秒)
(撮影は、気付いて肉眼で観察しカメラを取り出すまで時間がかかった)。

 しかし、このTシャツ型の飛行物体はいったい何でしょうか? 凧ではなく丸みを帯びています。 最初は林の辺りにいるのを発見し、向かって斜め左へ傾いた状態で、風下(北北東)へ流されるような動きでした。 その後、姿勢は垂直を保ったまま1分間で40°ほど自転、非常に安定でした。 下側に重りの様な棒が奥行き方向にあるようですが、ひょっとすると磁気トルカーで、地磁気により南北向きに安定したのかも。 気球の一種なんでしょうか?(気象関係者によると観測用は白くて丸い) 光学6倍ズーム(35mmカメラ換算 210mm相当)で撮影。
 距離不明なるも先の小山の上空にあったとして距離200mと仮定すると、右下のアンテナ縦30cm・距離40mと 比較して縦 1.0m程度の物体かと思われます。

 飛行物体のオリジナル写真もダウンロードして見て下さい 写 真1 写 真2 写 真3 。

こちらは再現動画です(合成)。

謎の光 謎の飛行物体(と謎の光)
 このファイルでは上記の飛行物体に翻弄(ほんろう)されるコックちゃんを滑稽に描き、ついでに右の写真のような不 思議 な光 についても原因まで解説してあります。ぜひご覧ください。


■落雷の目撃
 放電といえば雷です。子供の頃、縁側に座っていたら、 30m先の電線から地面にバリバリッと放電したのを目撃しました。田舎だったので犠牲者はなかったようですが、 別の場所でも放電したそうで、近所の乳牛が暴れたりしたそうです。
 一番すごかったのは、頭上7mへの落雷でした。コンクリート製の建物の最上階に住んでいた頃、 屋上の貯水タンクに落雷したのです。 わずかに黄色味を帯びたフラッシュ光に包まれたと共に、ダーンという爆弾のようなものすごい音がし、 その後、周囲から雷鳴の残響が押し寄せてきました。 貯水タンクのフタに落ちたらしく、翌日にフタが飛ばされて下に落ちているのを発見しました。
 とにかく、すごいエネルギーです。

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