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2002年8月、ついに念願のブロッケン山へ行けました!
brocken

 これが遠くから見たブロッケン山です。ドイツHannover東南にあるWernigerodeから蒸気機関車で山頂まで観光してきま し た。ここは旧東ドイツであったため、西側から気軽に行けるようになったのは統一後のことです。
 非常になだらかな山で、頂上駅にはタワー、博物館、レストランがあり、健康増進のために木道を歩く人も多かった。
Google Video(脚色が冗談めいているが)

wernigerode 蒸気機関車の始発駅の一つである古い街Wernigerodeです。ドイツ中北部 には 山がほとんどありませんが、ここは山の中。お城もありました。 ここから乗車し、Drei Annen Hohneで乗り換え。山頂へ向かいます。観光地らしく、各地から人が集まってきていました。ただし、みやげ物はほとんど見当たらない。
hsb かわいい蒸気機関車。Harz地域で100年以上前か らやっているというGSB 社:Harzer Schmalspurbahnen GmbH。
liquor  乗 車してしばらくすると、後ろから検札の声。切符を見せてしばらくすると、何と今度は同じ女性が写真右のビンに入った 飲み 物を売りに来た。もちろん買って飲んでみた。甘い。薬味酒のような味でアルコール35%。みんなチビチビやりながら山頂への 二時間を過ごす。Schierker Feusersteinという銘柄を後で調べたら、ブロッケン山の中腹南東部にある石の名前らしい。ラベルの絵がその石です(クライミングされた時期があったようだが現在 では禁止)。
liquor 2015年になって日本でもドイツのハーブ酒が普及 して、右側の Jagermeister(イェーガーマイスター)も 手に 入れてみた。ほぼ類似の味と香り。フルーツ、ハーブ、生薬などから抽出した、味は甘くて苦くアルコール度35%、甘くさわやかな香り。このようなハーブ酒 をドイツでは冷やしてストレートで飲む事が多いらしい。ビールを飲んでいて胃が冷えたら、 これでおなかを温めるとか。料理に入れてみたが香りが甘ったるくてくどい、隠し味が適。
wasser 往復切符は22ユーロでした。
 どの線から発車するのか案内もわからなかったが、みんなについていったら行けた。乗換えがあるので検札の人がなにやら 聞いてくれるがわからない。英語をしゃべってくれない。路線図を指でなぞったらOKだというジェスチャー。
 大きな駅でこうはいかないが、観光地ならではの乗り方だ。
hsbブロッケン山頂駅。
 勾配を緩やかにするため、山頂ではらせん状にレールが敷かれている。なお、写真の右側の曲線は切り替えポイントのための 曲線 で、山頂周りのらせん状レールは半径何100mといった大きな曲線だ。
brocken  山頂からの眺め。ブロッケン山のほか周りには山らしいものは見えない。
tower ブ ロッケン山の頂上には無線設備のタワー、レストランや博物館がある。元々観光地だったが、冷戦時代には東ドイツの軍事拠 点として使われていた。無線設 備を改装した博物館には東ドイツ軍のヘルメットや小銃、通信装置、コンクリート製の塀の一部などが展示されていた。なお基本的には動植物や山の説明が多い。
witch 看板の 一つに魔女が集まる山という伝説にちなんだ絵が掲載されていた。毎年4月30日にほうきに乗った魔女たちが集ま るといい、ゲーテの「ファウスト」に出てくる饗宴ヴァルプルギスの夜に紹介されているそうだ。
heine ハイネの碑があった。ハイネは「ハルツ紀行」を著し、これにちなんだ「ハイネの 道」が 登山道として設定されているそうだ。ほかに「ゲーテの道」他があるそうで、色んな碑もあった。

 右後に自転車の人が居るように、なだらかなのでマウンテンバイクでここまで来る人がいるのだ。
rock 何の石であろうか、説明を読めなかったが、遺跡やお墓のようなものなのか?
baum ドイツは酸性雨でシュバルツバルトなどの森林が涸れる問題に直面して いる。
 写真はブロッケン山八合目あたりの立ち枯れだが、これは山火事によるものかもしれない。

 なお他の多くの場所では、時々白い立ち枯れが混ざっている程度。
 酸性雨による立ち枯れと蒸気機関車は悪い関係にあるが、今では珍しい蒸気機関車に乗れる事を楽しみにしている観光客、 電化には多額の投資を必要とすることなど、問題は複雑そうだ。
baum 途中駅のSchierkeには写真の魔女人形などが販売されていた。腹が減ったの で ここで次の列車を待ちながらサンドウィッチを食べた。
Wernigerodeから列車で往復4時間、山頂で3時間、合計7時間の旅でした。


私がブロッケン山を訪れることができたのは本当に偶然です。
 ブロッケン現象を記録するようになってから、有名なブロッケン山を一度訪れてみたいという気持ちはあるものの、地図を見る限りたいして高い山で もなく、わざわざ訪れる事も無かろうと思っていました(山は高さではないと思っているくせに)。
 ところが仕事の都合でBraunschbeigという町に行くことになったのです。地図を見るとブロッケン山の北西。おおっと思いましたが、仕事を済 ませ ると翌日は休日を利用して帰国する日程だったので遠くから眺められればいい程度とだ思っていました。
 ところが偶然にもケルン(実際はローマ支配の影響でコローニャと発音することが駅での会話でわかった)に行く仕事が追加となり、打ち合わせ の月曜日まで出張中の休日を手にしたのでした。なんと言う僥倖。

 ドイツの鉄道DB(Die Bahn)はロングレールでしっかりできていました。平地で直線的であるのも一因ですが、道路にしても建物にしても時間をかけて信頼でき長く使えるものを 作る思想のようです。平地が多いのでオランダと同じく歩道とは別に自転車道が大きな道には設けてありました。鉄道だけでなく、バスにも自転車 を持ち込める ので自転車の旅が楽にできる。
 精神レベルが高く、ウソつかないことを前提に しているようです(まあケルン駅の裏通りでは殴り合いの喧嘩をしていたが)。鉄道は改札もなくホームまで誰でも入れ、ホームで切符を買う。チェックは検札のみ。バスも車内 で切符を買うが、検札なし。そもそも最初の駅の階段で、おばあさんから「老人の荷物は若者が持つものだ」らしいお叱りを受け、買い物車をお 持ちしました。だからバスでもご老人を立たせられないので自分が立つようマナーを心がけておいた。

 東洋人は珍しがられた。かつて妻と行った観光旅行で、田舎から観光に来ている人たちがみんな珍しそうに我々を眺めていたが、こんな田舎では街中そうで あった。遊んでいた小さな子供など、一目見て固まってしまう者もいた。テレビでは見たことあるが本物だし、謎の人種と いった不安が交錯しているのだろう。
 だから笑顔は重要だ。KIOSKにはいってもHalloと微笑まねば何だか緊張が店内に残る。日本人は表情が少なく慎み深いので、怒っているの と誤解されがちである。オーバーなジェスチャーをするよりは、余裕を持った笑顔が自然にできることを目標にしたい。

 田舎ではあまり英語が通じない。 最初のタクシーでホテルまでは行けたが、言葉が通じずチップを渡せなかった。「モルゲンタクシー」といいながら自分の携帯電話番号の入った名 刺をくれたので、後日ブロッケン山へ行くために呼んでやったら、英語がわからない運転手は結局英語が話せる知り合いをあっせんしてきた。
 こんどは訛りの強い黒人で、冗談がキツイ。「旧東ドイツの連中は愛想が非常に悪い。有色人種だったら殺される。ブロッケン山の途中では崖を登る ところがある。列車は先頭を避けたほうがいい。」などなど、どれが本当なのかわからなかったが、どうやらタクシー料金以外はすべて冗談だったようだ(他の 運転手は真摯でこんなことは無かった)。
 気に入ったので日曜日に呼んだら、「教会へ行ったあと寝ていた、しかも今日は営業日ではない。」それで自家用車で来て駅まで送ってくれ た。 タクシーでないから料金を受け取れないというので、こっそり後部座席に忍ばせておいた。やっぱりいいやつだった。

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