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  トイレのマナー
  かつて仲間と夏に穂高のパノラマコースを通って下山した際、私はどうしても我慢できなくなったのです。やむなく場所を見つけ て大キジを撃ったのですが、き のこが生えていたと報告すると、仲間は「昔もこの場所で同じ報告を受けた、同じ境遇の人がたくさんいて、ソレにきのこが生え るのではないか。」と言いました。人気のある山では登山者による環境へのインパクトが問題になっていますね。

 さてこういった場合、人気の山なら次の小屋まで我慢してトイレ を借りるよう にしたいものですが、山の田舎では小屋が期待できない場合 もあります。その際、雨で流された場合でも沢 の水を汚さない場 所に限るのはもちろん、汚れを拭いた紙は持ち帰るの がマナーに なっているようです。
紙は持ち帰る 紙は自然に帰る材料ですが、分解が遅く、 白く目障りで景観を損なうというのが理由のようです。使った紙は、ゴミ袋の中のお菓子の袋などに詰め込んで持ち帰りましょ う。

 右の写真は丹沢・塔ノ岳にある有料トイレの紙です。使った紙は便器に捨てず、各自持ち帰るよう指導されていました (2004年2月)。
 人によっては受け入れがたい事かもしれませんが、山に登るという行為には、この程度の覚悟は必要だということです。なお、 小屋によっては紙入れが別にあ り、焼却処分しているところも多い。


■  怖~い話

 不思議な体 験の話です。
 ずいぶん昔の夏でした(1985年頃)。場所は伊豆半島・天城峠より少し北 の水生地近辺。休 憩のため私たち二人は登山道から距離をおき、沢を越えた平らな場所で食事をとった後、仮眠をとるための準備をしていまし た。

 それはもう夜の 9時頃でし た、沢のさらさら流れる音の向こうに「チーン」という高く澄 んだ鈴の音が聞こえたような気がしたのです。私たちは同時に顔を見合わせたのでした。確かに沢の向こうにある登山道のあ たりから聞こえたようでした。それ は猟犬などの鈴ではなく、托鉢(たくはつ)の僧が鳴らす鈴のようでした。誰かがいるのだろうか? 準備作業中のため寝ぼ けていた訳ではない。二人とも緊張 に体をこわばらせました。すぐにライトを消し、けはいを潜めていると、忘れた頃にまたチーンと鳴るのです。二人が全く同 時にその音を聞いているのがわかる と背筋がゾッとして鳥肌が立ちました。
 辺りは真っ暗で、沢の向こうの登山道には何も見えません。闇の中では沢だけ が音を立てていま す。しばらくしてまたチーン。これはもう普通ではない、何者なのか知らないが、こんな夜中に明かりもつけず鈴を鳴らし続 けるなんて変だ。しかも何故我々の 近くで鳴らすのか。

 その音を耳にし ながら20分 くらい我慢したあげく、私たちは無視して寝る作戦に出まし た。鈴の音は何か言いたげではあるが、こちらに向かってくる訳でもないので、関わり合いにならないようにしようとの判断 です。それから更に約30分間以上、鈴の音は鳴り続けたのでした。
 意識を他のものに向けるのは困難極まりなく、私たちはその緊張に疲れ、何時 しか眠りに付いた のでした。

 気がつくと空が わずかに明る くなりはじめていました。もう鈴の音は聞こうとしても聞こ えません。明るくなってから辺りを捜索しましたが、鈴や祠のようなものは見当たらず、誰かがそこで1時間ほど鈴を鳴らし ていたのか、二人同時に沢の音を聞 き間違えたのか、あるいは不可思議な現象なのかはわかりません。
 日中に歩いてみれば緑が爽やかな登山道です、ただその近くには氷室跡や小説 の舞台になった場 所もあり、いわくのありそうな場所でした。

 私の体験した 怖~い話という のはこれっきりで、他には何もありません。以来この種の話に好んで関わりあいになる様な事はしないと いうのを信条にしています。そのお陰か、写真に変なものが写った例(ためし)はありません。
 なお、この時写真フィルムのセットになぜか失敗しており、フィルム送りができずに1枚も撮 影できていません でした。今までセットに失敗したのはこの時の1回きりです。本当に不思議。(もし写っていたら恐かったかも?)ちなみに、同行者は「見える人」でした。


■  カモシカ(氈鹿)に遭う歩き方

 これは熊に遇う歩き方に もなるのでお 勧めしません。足音など音を立てず、目立 たないようにしていればカモシカに早くから気づかれない様です。人通りの少ない場所を静かに歩くのがコツですが、やはり危な いですね。

私がカモシカに遭った場所
 八ヶ岳・北沢にて(3月)
 八ヶ岳・御小屋尾根の別荘近く(5月)
 八ヶ岳・阿弥陀岳南稜(8月)
 八ヶ岳・赤岳(7月)
 南ア・鳳凰から南御室小屋への途中(1月)
 同じく地蔵ケ岳から高嶺への途中(9月)
 燕・合戦小屋の辺り(5月)
 木曽・駒ケ岳ロープウェイしらび駅へのバスから(8月)
 上高地へ向かうバスから中の湯近くで(8月)
 神奈川県の丹沢・鍋割山から西山林道(2月)

 ほとんどの場合、写真に 収めることは できませんでした。いつも思いがけなく出 会うので、カメラの準備をする間もありませんでした。鹿 もそうですが、出会った時はお互い身動きとれません。相手は逃げるチャンスを覗っているのです。人間の方は逃げられないよう 大きな動きができません。たい ていカメラを出そうと目を逸らした瞬間に逃げられます。

 カモシカは有蹄類で もウシ科。雌 雄とも牛の様に枝のない10cm程度の角を持つ特別天然記念物。角は生え変わらず、年ごとに角の縞模様に縞の数が増えて行 く。昔は食用に獲られ、その体毛は毛氈(もうせん)という一種のフェルトにも使われた。名前はこの氈(かも)に由来する。
 「羚羊」とも書くがこれは元々レイヨウの当て字だそうで、「カモシカのような足」とはこちらの事かと思います。
 写真を見れば、鹿ではなく牛であることが納得できます。

八ヶ岳・赤岳にて
2000年7月

八ヶ岳・北沢にて
2002年3月

kamosika4

丹沢・西山林道にて
2015年2月


■  八ヶ岳・2月 24日の体験  (山行記録から)
 一九九七年八月十二日、行者小屋から文三郎道を経て中岳へ到着した。かなり 早立ちを したので汗も少なく、誰もいない静かな一休みだ。東から到来した大量 のガスが、赤岳の背後から昇った朝日に照らされてオレンジ色に染まり、シルエットとなった赤岳の上空を通過して行く。かと思うと稜線による気 流の渦によっ て回転しているものもある。
 ザックを置いて複雑な大気の動きをしばらく眺めた後、振り向いた私はそこに建てられている小さな碑に手を合わせた。

 一九**年二月二四日は全国的な休日であった。前日のあずさ号にはスキーや山へ 行く 人でごっ た返し、テレビ局が車両の取材に来たほどだった。当日、赤岳へ向 かった私たちは、あまりの荒天に撤退を判断した。文三郎道から中岳への分岐点を経由し、赤岳を西から巻き込む辺りで視界は約一〇mにまで低下 し、強い吹雪によって自分たちの足跡が、ものの数秒で完全に消えてしまうのだ。
 途中ほかのパーティーとすれ違いながら行者小屋へ戻った私たちは、そりで運ばれてゆくけが人を目撃して天候の悪さを実感した。小屋の人たち は大変だった であろう。更に翌日の下山途中には捜索隊から別のある二人の消息を質問された。下の**山荘脇に二人が残したRV車を見、美濃戸口では悲痛な 表情で待機し ていた家族からも状況を聞かれた。感情が二次遭難を引き起こす危険を避けるため、肉親はどんなに経験が豊富でも行かせてもらえないのだそう だ。
 その日の天候はそんなにひどかったのだ。そして決して山で事故を起こしてはいけないという事を改めて思い知らされたのだ。

 中岳のその碑にはこの時の日付が彫られている。話を交わしたこともないが、同じ 時に、同じ山域の極近くに居合わせた数少ない者として、他人事とは思えないのだった。
 半年後には雪で流され消えてしまうであろう脇の小さなケルンに石を積み、私は中岳を後にした。


■ やっぱり中岳沢は怖い
 ある厳冬期の事でした。私は八ヶ岳の中岳から行者小屋方面へ下るため、悪い 噂 の多い中岳沢へ足を踏み入れました。雪の状態を確認するため、慎重にコルから 10mくらい下ってみました。すると硬い雪面に穴が開き、一気にすねまで沈んでしまったのです。モナカ雪です。根雪にフワフワの新雪が積も り、その表面がクラストして固まったものでしょう。
 これはマズイ、表層なだれが発生しやすい状態だ。既に私は、そのど真ん中の上部にいたのでした。とにかく横に逃げるか、上に逃げるかしなけ れば・・・  私は次の一歩を踏み出しました。
 ゴォォー。 私のすねが硬い表面を押すと同時に、雪の斜面全体が下に向かって滑り始めました。!!!。 私は動く雪面を走って逃げようとしました。しかし幸いにも数歩でその必要はなくなり、ちょうど私の下から雪面が割れて滑り落ち、巻き込まれず に済んだのです。更 に幸いな事に、下部の地形がジョウゴ状だったため、滑る雪面は行き詰まり、わずか3秒間だけ轟音を立てた後に停止したのでした。
 慎重に偵察しながら下ったので、これで済んだのだと思いますが、悪くすれば他人を巻き込んでの事故につながる可能性がありました。

 色々話を聞いていると山での大きな事故は意外に身近です。危険な場所や気象状況だけでなく、初歩的なミスがあなどれません。慣れた人でも 疲れた時や、無理をした時には危険度が高まります。
 このホームページは自然へのお誘いですが、安全の確保を忘れないようにしたいので本文を掲載しました。


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