その他5 山登りの気持1 2 3 最 近の製作2 |
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よくある人間関係 組織において気持ちよく仕事ができるかは適切な目標と各自の自由や人間性が尊重されるかに左右されますが、力関係に よって弱者が要求を呑まされるリスクも結構あります。 単純に力関係で行われるハラスメントに対し、自己欺瞞というのがあるそうです。 右上の図のように、束縛する側の目的(言えない場合が多い) に適した口実と束縛をセットにして受け手へ伝えます。 受け手は、これに共感できなかったり無理がある場合に嫌だと感じますが、 力関係があるだけに口実がもっともであれば納得しようとむしろ努力、学習し、嫌であるという感情を抑圧します。 この「口実」は言語的な情報だけなので、その集団内で再利用が簡単にできます。 同僚間でも水平に伝播し、組織の雰囲気として共有されて行く可能性があります。 |
一部の人は、こういった体験を通して、自己超越やユングの言う自己実現に目覚める場合があるらしい。 それには下地となる人間性が必要であり、生きている間に準備しておきたいものです。 この意味において死は「瞬間」ではなくそれに至る体験であり、意味をもたらす材料となるのは、結局我々が生きている今の業の蓄積です。
長い夜を泣き、苦しみや屈辱にひれ伏した人、多くを失い希望の無い日々を生きた人、そのような経験をした人は他人の悲しみや苦しみ不安に共感する力を身に つけている。この世界の無常を知る人は、生まれて死ぬまでにすべきことを知っている。マスコミ等で表舞台の人やその発言が目立つ中、今ここで自分がどのように 在るのか、どのように在りたいのか、何をしたいのか再考する時間は生きている限りまだある。
・課題の達成度に依らず表の段階(年齢)は進んでしまう。 失敗はあっても良く、他の方法で挽回できるが、達成度は高いほうが好ましい。 ・全く躓かない人や一生健常者で通せる人は稀だろうが、工夫することで課題の達成はできる。 むしろ陰の面に苦しんだ人のほうが、努力の分だけ人間的な真実を深く理解する機会がある。 ・トラウマ的な傷が本人の発達を妨げるだけでなく、世代間継承を引き起こす場合がある。 傷に気づく事が、解放への第一歩である。自己欺瞞も同様。この辺りが打ち勝つべきところです。 |
・自分の特徴は、たとえ欠点だと思っていても、別の見方をすれば誰も真似のできない特長になり得ます。 自分を変えることが困難であっても、特徴を特長にして自己イメージを好ましい方向に修正することで自分を変えられる場合もある。
自己超越の多様性
山登りの場合は、 フロー体験の快感と、それを共にした人間関係、自己実現の喜びを背後に自己超越へつながって行くものと予想できます。
集団でリスクを共にする点では極限との共通点もあり、 冒頭に述べた2方向の欲求段階も、細かく見れば色々あると思います。 図は今まで述べた事柄を関係付けて描いたもので、自己超越へ至る色々なルートを描いています。 原動力は生命のエネルギー、そして互いの喜びや苦しみを分かち合える知性(前提として発達の各段階を、ある程度達成している こと)、集団の場合は同じ場を共有した運命が導くのだと思います。 |
鉄腕アトムのような人間を理解するAIとなるには(人間に信頼されるためには)、学習だけでは無理で、人間と類似のメ
カニズム及び人間らしく育てられる体験が必要だろうと推察します。例えばもし苦しみや恐れを持たないAIであれば病気の人間
を記号的にしか認識できないだろうという事です。深層学習法によって定義が困難な特徴を学習できるようになり、AIが「この人は何か病気なのだろう」と察知できるようにな
ると思いますが、「AIが相手を自分のことのように扱える」「このAIは人間と同じだ」と人から思ってもらえるにはまだ壁があるそうです。 つまり客観的な意味:体系(システム)内の関係性だけでなく、主観的な意味:自己の生命に関わるような実存的意味が重 要なんじゃないかだという事です。 加えて上記エリクソン提唱の発達段階が発現するAIの構造を考えてほしいです(その結果、人間モドキの意識体ができて しまうかもしれませんが、人格として扱うべきか法律など整備が必要)。 私たちの脳はもっと凄くて、内分泌や生命活動を司どったり感情や学習どころではありません。1950年代に脳外科医ペ ンフィールド博士が行った実験では、 側頭葉シルビウス裂に臨死体験をほぼ再現できる場所があるそうです。 脳科学の発達で、ずいぶん色々な事がわかってきているようですが、 ペンフィールド博士が晩年「脳だけでは説明ができない」と語ったように、単純ではなさそうです。 登山家R.Messner氏や松田宏也氏らの体験をマトモに扱う人が出て来てほしい(似非科学が多いので困る)。 側頭葉の奥には、皮質でありながら、内側に畳み込まれて外からは見えない、島という部分があります。 図の左手に半透明で示してあります(図は右脳表面の皮質を除き、内側を見せています)。 島は、皮質の中でも古くから発生しており、更に内側に接する大脳辺縁系との情報連絡が多い。 色づけした部位は大脳辺縁系にある諸器官で、 例えば赤い扁桃体は、新皮質が「考える」より先に、好き嫌いを過去の記憶から決定します。 危険に対するとっさの動作、一目ぼれ、気が合わないなど、辺縁系の影響が大きそうです。 脊髄の先端に近い部分は中脳から脳幹で、自律神経など、生命維持、内分泌を担っています。脳幹部に意識と恐怖が切り離 せない形で存在しています。意識は危機的状況に対処するために発生したと推察します。 なお「不安」は大脳皮質が考えて辺縁系が感じるもので「恐怖」とは別である。 前頭前野の大きさが発達するに必要な時間が、ヒト、チンパンジー、アカゲザルの順に長いことから、ヒトは後天的要素 (文明)の影響を強く受けて育つそうです。「本来的な自分らしさ」がどこから来るのか、これは先天的要素と、現在から胎 内にいた頃までの歴史に依存します。 中枢神経の信号伝達は化学反応に依っています(ホルモンより速いが、電気の速さではない)。 アルコール、カフェイン、ニコチンその他の物質から影響を受け、耐性や習慣性もつきます。 無くても済む脳にした方が良いとお勧めします。依存症は本当にヤバイです。 脳内物質(神経伝達物質など)も枯渇しないよう、栄養と睡眠、適度な運動が必要ですから、 鍛えるほど頭がよくなるというのは限度があります。 お酒や運動と同じく、過労については自分の限界を知っておいたほうが良い。 |