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  丹沢の変化

  関東地方に就職し、 この20年以上丹沢へ足を運んでいるので、自然の変化について雑感をまとめておきます。 主観的で数値的な評価はできていません。

1.酸性雨の影響 補足
 改策じいさん(渋谷改 策氏)に 聞いた話です(2006年10月)。
 およそ1970年ごろまでは、改策小屋の周辺は雑草が背丈まで伸び、刈るのに大変だった。 その後、どんどん雑草は生長できなくなり、ひざ程度になってしまった。 これでは高地に追いやられた鹿も食べて行くのが大変だろう。 また、関東大震災以降続いている斜面の崩壊も見守ってきた。
 このままでは山の地肌が露出し、崩壊や生物に悪影響が出ると考え、 雑草の種を集め、地面が露出した部分に種を蒔くなどの手入れをしてきたと言う (現在は小屋を止め、その後ご逝去)。

 沢を登っていても立ち枯れの木が目に付きます。 他の成長に負けた木ではなく、日当たり良好な所でも見受けられる。 尾根では枯れた大きなブナに、キノコが生えて分解してくれています。

 上高地の大正池のように、立ち枯れた木も消えてゆくのか、まだまだ立ち枯れが進むのか?
 化石燃料に含まれる硫黄の酸化物や、 エンジン燃焼で空気の窒素と酸素が化合して発生する窒素酸化物が、 大気中で反応しオゾンも含めて酸性・酸化性の雰囲気を作ります。
 大量の雨なら流され、土壌や湖沼に影響しますが、 特に霧や少雨に吸収されて硫酸や硝酸の濃度が高くなり、植物の表面から影響を与えます。
 未だに工業地帯では光化学スモッグが存在し、最近は海を越えて大陸(主に中国)からやってくる化学物質も加わっているらしい。

 排出基準と経済とのバランスが課題だが、最近は電気ハイブリッドカーが健闘していて、うれしい。
2.地球温暖化の影響
補足
 私の子供時代、初詣はキーンと冷えた雪の中を参拝したもの だった。 しかし、1980年ごろから雪は珍しくなっていった。
 さて、丹沢では樹木への着氷が起こる。 寒ければ雪は積もることも無く飛ばされ、霧氷が付く程度だが、 雪が太陽光で溶けて氷になり、融けないうちに着氷が繰り返されると重く枝が垂れ下がるようになる場合がある。
 この現象は1990年代でも見られたが、重みに耐えかねて、かなり根元のほうから折れている木を2008年ごろから見かける様 になった。
 今までも起こっていたならば、折れやすい部分は既に折れており、 よく目にすることは無いはずである。

 地球上の人口・経済活動の増加と共に、 二酸化炭素・メタンをはじめとする温暖化ガス濃度が増加している。 1900年ごろから、特に1950年ごろから急速に温暖化が進んでいる。2000年ごろには海面が1900年に比べて 15cm上昇しており、イタリアのベニスやツバル諸島が危ういとして有名。
 平均的な温度上昇だけでなく、洪水や干ばつなど、気圧配置や偏西風の位置の変化によって、気象変動や変動の激化が起こってい る。

 二酸化炭素を450ppmに抑えるに必要な金額はGDPの1%程度であり、困難ではあるが実現可能な範囲であるらしい。
 自然エネルギーの利用、緊急には二酸化炭素の回収に期待したい。原子力エネルギーの利用拡大には賛否両論。
3.ヤマビルの増加

 大型動物の繁殖と移動によって、ヤマビルが増えている。 今までは標高1000m以下の湿った沢沿いや、草木の多い沢などで見かけたが、 2005年ごろから林道にも出るようになり、2008年ごろは水量の多い大きな沢でもみかけるようになった。

 大型動物の駆除には、有害鳥獣としての指定と、駆除する猟友会の人たちが必要だが、 高齢化により有効な手段がとれないでいるらしい。

下の写真は増えすぎた鹿が入らないようにした柵の範囲を遠くから撮影したもので、鹿が食べなければ丹沢の植生が取り戻せる事が歴 然です。柵の周辺の草がこれほど減る位い鹿が増えているという事です。



4.放射性物質

 2011年3月に発生した東日本大震災の影響で福島原発がメ ルトダウンし、燃料棒プールも水素爆発によって損傷し、大量の放射性プルームが神奈川県にも届いた。
 山間部の雨によって放射性プルームは沈着し、場所によっては0.2μSv/h(年間17mSv)に達する場所もある(2011 年)。
 全てを調査できてはいないが、水無川、大倉尾根では0.1μSv/h(年間8mSv)程度であり、東京や横浜と同程度である。
 なお放射線モニタリングポストの多くは地上からの放射線を避け、空間線量を測定する目的で高さ20m程度に設置されている場合 が多く、地上の半分程度の値を示しているようである。
 今後、モニターを続けたい(右上のリンク参照)。
丹沢の放射線量 (2011)


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